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お釈迦様と蛇霊(2)

○253話『マニカンタ竜王前生物語』

 これは、師(釈迦牟尼仏)がアーラヴィーの近くのアッガーラヴァ廟に滞在しておられたとき、僧房建立規則について語られたものである。アーラヴィー在住の修行僧たちは、寄進を求めて僧房を建立するさいに、熱心に懇願し、執拗しつように勧誘し、「人を出してください。召使いの仕事をする人を提供してください」等と言っていた。人々は懇願に苦しみ、勧誘に悩み、修行僧を見ると、驚いたり、恐れたり、逃げたりした。
 そのころ、尊者摩訶迦葉波マハーカッサパがアーラヴィーに来て、托鉢のために入った。人々は長老を見ても、同じように逃げた。長老は、食後、托鉢たくはつから戻って、修行僧たちを呼んで、
「以前には、友よ、このアーラヴィーは食事が得やすい場所であった。なぜいまは食事が得がたくなったのか」とたずねた。その理由を聞いてから、世尊(お釈迦様)がアーラヴィーに来て、アッガーラヴァ廟に滞在されたとき、世尊に近づき、このことを話した。
 師は、この原因に関して、修行僧団を集めて、アーラヴィ在住の修行僧たちにおたずねになった。
「おまえたちは、修行僧たちよ、寄進を求めて、僧房を建立してると伝えられるが本当か」
「本当でございます」
 そこでお釈迦様は、これらの修行僧たちを叱責して
「修行僧たちよ、この種の懇願というものは七宝で充満している竜宮城に住む竜にとってすら不快なものである。まして人間にとってはなおさらである。1カハーパナのお金を得ようとしている人間どもにとっては、石から肉を取り出すときのようである」と言って、過去のことを話された。

 むかし、バーラーナシーでブラフマダッタ王が国を治めていたとき、バラモンの家に二人の兄弟がいた。二人は父母の死から心に宗教心を起し、出家して仙人の生活に入り、ガンガー河の岸辺に草庵そうあんを作って住んだ。両人のうち兄の方はガンガー河の上流に草庵をもち、弟はガンガー河の下流にもった。
 そこである日のこと、マニカンタという名の竜王が住処すみかを出て、青年の恰好をして歩いていたときに、弟の庵に行ってあいさつをして、片隅に坐った。彼等はおたがいに楽しい話をして、親しくなってしまって、相手がいなくては暮せなくなってしまった。マニカンタはしばしば弟苦行者のもとにやってきて、坐ってよもやま話をした。帰るときになると、苦行者に対する愛情のために、自分の姿を捨てて、とぐろでもって苦行者をまき、抱擁ほうようし、頭のうえに大きな鎌首をのせた。しばらく横になって満足を覚えてから、体をほどき、苦行者に挨拶して、自分の住居にもどった。弟苦行者は、竜に対する恐怖から、憔悴しょうすいしてしまい、卑しく、醜く、黄色になり、青筋が全身に現われた。
 彼はある日、兄のもとに来た。そのとき、兄が彼に尋ねた。
「おい、なぜおまえは憔悴し、卑しく、醜く、黄色になり、青筋が全身に現われたのか」
 弟は兄に事の顛末てんまつを話した。兄は、
「いったいまえはその竜が来るのを望んでいるのか望んでいないのか」とたずねた。弟は、
「望んでいない」と答えた。
「その竜王がおまえのもとにやって来るときには、どんな飾りをつけて来るのかね」と兄がたずねた。
「マニ宝です」と弟は答えた。
「それでは、おまえは、その竜王がおまえの所にやって来て、坐らないうちに、『わたしに摩邇まにを下さい』と懇願しなさい。そうすればその竜はとぐろでお前をとりまかないで帰るであろう。翌日には庵の戸口に立っていて、やって来る竜に懇願しなさい。三日目にはガンガー河の岸辺で水から顔を出したとき竜に懇願しなさい。そうすれば竜王は二度とお前の所に来ないであろう」
 苦行者は「そうしましょう」と答えて、自分の草庵にもどった。
 翌日、竜がやって来て、まだ立っているあいだに、「わたしに、そのあなたの飾りのマニをください」と懇願した。かれは坐りもしないで逃げた。それから第二日目には、庵の戸口に立っていて、かれがやって来るときに、「昨日はわたしにマニ宝をくれませんでしたね。今日はいまもらわねばなりません」と言った。竜は庵に入ろうともせずに逃げていった。第三日目に水から彼が頭を出したときに、
「今日で私がお願いして三日目になります。今日はわたしにこのマニ宝をください」と言った。竜王は水のなかに立って、苦行者の懇願をこばんで、二つの詩をとなえた。
『わたしには、大量の、たくさんの食物・飲食が生じます。それはこのマニのためです。わたしはあなたにマニをあげません。あなたは多くを求めすぎるのです。そしてまた私はあなたの庵へ行かないでしょう。輝く剣を手にしている若者のように、あなたはこの石を求めながらおどす。わたしはあなたにマニをあげませんあなたは多くを求めすぎるのです。そしてまた私はあなたの庵へ行かないでしょう。』
 このように言って、この竜王は水のなかに潜り、自分の竜宮に帰って、二度と戻らなかった。するとその苦行者は、その美しい竜王と会えないために、さらに一層憔悴し、卑しく、醜く、黄色になり、青筋が全身に現われた。そこで兄の苦行者は、
「弟の様子を見よう」と思って、弟のもとにやって来て、弟がより一層黄色く病的になったのを見て、
「おい、おまえはなぜ一層黄色く病的になったのか」とたずねた。
「あの美しい竜と会えないからです」と答えるをの聞いて、
「この苦行者は竜王なしには暮らすことができない」とさとって、第三の詩をとなえた。
『その愛をおまえが求めているが、その竜を求めるな。求めすぎたために、不快に思っている。竜はバラモンにマニを求められて、立去って、姿を見せない。』
 このように弟に言って「それゆえもう悲しむな」となぐさめて、兄は自分の庵へ帰った。その後、兄弟は2人とも、完璧な知識を得、禅定を体得して梵天の世界に生まれるものとなった。
 師(お釈迦様)は、「修行僧たちよ、このように、七宝にみちた竜宮に住む竜にも、懇願は不快である。いわんや人間にとってはなおさらである」と、この法話をされて、〔過去の〕前世を〔現在に〕あてはめられた。「そのときの弟はアーナンダであり、兄は実にわたくしであった」と。




○304話『ダッダラ竜兄弟物語』
 これは師(お釈迦様)が祇園精舎に滞在しておられたとき、ある怒りやすい修行僧について語られたものである。そのとき、説法場で彼が怒っぽいことについて話がもちあがった。そこへ師(お釈迦様)がいらっしゃって「修行僧たちよ、いったい何の話があっていまここに集まっているのかね」とおたずねになった。
「実はこれこれの話のためでございます」を申し上げると、お釈迦様はその修行僧をお呼びになり「修行僧よ、おまえは怒りっぽいという話だが、本当か」と言うと、「尊師よ、そのとおりでございます」と申しあげた。師は「修行僧たちよ、かれはいまだけでなく過去にも怒りっぽい男であった。彼が怒りっぽい性質だったばかりに、昔の賢者たちは、清浄で竜王として暮らしていたにもかかわらず、三年のあいだ糞尿ふんにょうでいっぱいの汚穢おわいだめのなかに住むはめになったのだ」と言って、過去のことを話された。

 むかしむかし、ヒマラヤ地方のダッダラ山のふもとにダッダラ竜宮があり、そこの国を治めていたスーラダッタ竜王の息子にマハーダッダラという名の竜がいた。その竜こそ、お釈迦様の前世であった。また、マハーダッダラの弟はチュッラダッダラといった。弟は怒りっぽく乱暴で、竜の乙女たちをどなりつけたり殴ったりして暮らしていた。竜王は彼の乱暴を知って、彼を竜宮から追い出すように命じた。しかしマハーダッダラは弟の為を思い、父王をなだめて思いとどまらせた。二度目に竜王がチュッラに腹をたてたときも、マハーダッダラは父王をなだめた。ところが三度目のときは、「おまえはわしがこの親不孝者を追い出そうとするのを邪魔した。出て行け、おまえたち二人ともこの竜宮を出てバーラーナシーの汚穢溜のなかで三年のあいだ暮らすがよい」と言って、二人とも竜宮から追いはらわせた。
 彼らはその場所へ行って住んだ。さて、かれらが汚穢溜のなかにいて水面に餌を探していると、村の子供たちがそれを見て、彼らを叩いたり土塊つちくれや木の棒を投げつけて、
「この頭でっかちで尻尾に針のある水蛇はなんだい」などと言ってののしった。チュッラダッダラは気性がはげしく乱暴なので、子供たちの侮辱に我慢がならず、
「兄貴、この子供らは俺たちを馬鹿にしている。おれたちが毒蛇だということを知らないのだ。俺はあいつらに侮辱されて我慢ならん。鼻で一吹きして、やつらを殺してしまおう」と兄に話しかけて、第一の詩をとなえた。
『マハーダッダラよ、これらなる人間世界の悪口雑言われを苦しめる。「蛙食らいて、水辺に棲む」と、毒なきくせに、毒あるわれらをののしる。』
 彼の言葉を聞いて、マハーダッダラは残りの詩をとなえた。
『おのが国をたち出でて、他の国に入りたらば、悪口雑言しまいおくべし。大いなる倉を建つるべし。人の生まれも人品も知らざるところにありては、知己ならざる人々のなかに住みて慢心することなかれ。異国に暮らし行くときは、火にも等しき激しき気性の者とても、智慧あらば耐えるべし。たとえ奴婢ぬひに侮らるとも』
 こうして彼等は三年のあいだそこに住んだ。そこで竜王は息子たちを呼びもどした。彼等はその後はさっぱりと自惚うぬぼれ心を断ったのであった。
 師(お釈迦様)はこの法話をされて真理を明らかにし、過去の前生を現在にあてはめられた。真理の説明が終わったとき、怒りっぽい修行僧は聖者の第三の境地に達した。そのときのチュッラダッダラは怒りやすい修行僧であり、マハーダッダラは実にわたくしであった、と。


テーマ : 心に響く言葉・メッセージ
ジャンル : 心と身体

プロフィール

真善美愛

Author:真善美愛
真善美愛まことと申します。東日本大震災の後、上野公園さんの『神言会-大本教神諭解説』に出会い、ぐちなお開祖・さぶろう聖師を通じてうしとら〔 艮 〕こんじんくにとこたちのみこと様に導かれます。それ以降、天の御先祖様(万軍の主、創造神)のお役に立ちたいと、良心神(個々の魂に宿る天帝の分魂、天照皇大御神)を奉じて活動しています。

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