『惟神の道』(出口王仁三郎)より「天を恐れよ、神を畏れよ」

「天を恐れよ、神を畏れよ」

 孔子いわく「君子に三つの畏れあり、天命を畏れ、大人(たいじん)を畏れ、聖人の言を畏る」と。また賢王ソロモンいわく「エホバを恐るるは智の本なり」と。かくのごとく、古の聖賢は民を導くに「天を恐れよ、神を畏れよ」と教えたものである。しかるに今日の政治家や教育者たちは、かえって「天を恐るるなから、神を畏るべからず」と教えておるように思われるのである。
 人が何よりも天を畏れ、神以外の何ものをも恐れなくなった時、始めて理想の世界が地上に実現する。しかるに今日の学校教育は、何よりもまず試験を恐れさす教育ではないか。また今日の社会教育はどうか。あるいは権力を恐れしめ、あるいは金力を恐れしめ、また法律の制裁、科学の威力を恐れしめる教育が施されておるのではないか。
 権門の家庭ではその子女を養育するにあたって、いかに権力が今の世に偉大であるかを知らしめようと努力する。富を求める者は金力の強大性を力説し、法律家は法の制裁を恐れしめることによって地上天国が出現するかのごとく教え、科学者は何ものよりも科学の力の恐るべきを強調する。もし孔子の言葉を「正し」とするならば、今の世の政治は明らかに君子の道に叛ける政治であり、またソロモンの言葉を「賢し」とするならば、今日の教育家達はすべて智を得ざる徒であるといわれても致し方なき次第である。
 智者とは日を知る者の意である。日は熱と光の源泉である萬有生命の原動である。はたして今日の科学者に「生命の根本」を明らかにせる者は一人でもあるか。すなわち日を知れる智者なるものが、はたして幾何あるか。ここに、今日の科学が、今一段進歩したならば間もなく明らかにするであろう程度の、人間と自然界の関係を述べておこうと思う。

 人の心が平和と喜びと慈しみに充ちている時、すなわち愛善の精神に満たされている時には、その五体から明紫(めいし)の霊光を放射するものである。この明紫の霊光に包まれると、人間はもちろん、動物植物に至るまで、その精神的物質的成長力が旺盛になって来るのである。ゆえに子女を教育するに際してはもちろんであるが、動物を飼育し植物を栽培するにあたっても、常に愛の心をもってせなければ正しい結果をもたらすことはできないのである。
 今日、庭園なるものは金力を誇り権勢を示すために作られておるようでるが、実は庭園なるものはその樹木草苔によってその家人の特性を表現するものなのである。ゆえにいかに金をかけ人力を尽くしても徳なき家の庭園は観る人の目では、はなはだ貧弱にしか見られないものである。
 また人の心が乱れ、悲しみと憎悪に満ちている時、すなわち愛惡の精神が漲っている時には、その五体から暗赤の色を放射するものである。これは常に破壊性殺害性の力を有するものであって、そのために刺激を受けると、精神的にも物質的にも成長力を阻害されるものである。人によって何となく衣類器具等を汚し損する人がある。これも右のごとき破壊的色素の一つの働きである。
 しかして、かかる愛惡の霊的色素がだんだんと天地に充満してくると、その結果、肉体的には病を発生し、精神的には不安懊悩を誘発するに至るものである。この悪気を払い清める行事が禊祓である。しかして禊祓にもいろいろあって、斎戒沐浴もその一種である、神籬(ひもろぎ)による祓戸、祝詞奏上、鎮魂等、すべて禊祓の一方法である。しかして、もし人間が悔い改めと禊の業を修めずして邪気いよいよ天地に充満しきたる時には、祓戸の神の御発動となって暴風豪雨等によって邪気が清められるのである。神の恩寵もっとも豊なる我国において特にしかりである。
 ゆえに我国においては古来国難の当来する前においては、ことに自然界の変災が多いのであって、これは神が特に日本を愛したまう象徴なのである。余は最近の我国における天災地変について議論することを避けたい。
 科学万能主義者が過去の聖賢の言葉を否定する説に、同ずる人々を一々論難しても仕方がない。だが余は躓く石にも神の警告を感得する謙虚敬虔な心を持つ人は幸いであるというものである。天の異象を見、地の変兆を知らされても、神を知らざる者の眼は節穴同然、耳は木耳同様、まことに悲しむべき世相である。かかる世相を誰が招いたのであろうか。余は過去の聖賢とともに「天を恐れよ、神を畏れよ」と今の世に叫ぶものである。


プロフィール

真善美愛

Author:真善美愛
真善美愛まことと申します。東日本大震災の後、上野公園さんの『神言会-大本教神諭解説』に出会い、ぐちなお開祖・さぶろう聖師を通じてうしとら〔 艮 〕こんじんくにとこたちのみこと様に導かれます。それ以降、天の御先祖様(万軍の主、創造神)のお役に立ちたいと、良心神(個々の魂に宿る天帝の分魂、天照皇大御神)を奉じて活動しています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる