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第六章「偉人か奇人か」 教主を迎えて

○第六章 偉人か奇人か

△教主を迎えて

 飄然ひょうぜんと訪ねてまた風のごとく立ち去ったような、余りに無骨な会見が最初薄暗い土蔵の中で教祖と教主との間に行われた。二人の間にわされた会話は極めて簡単で、あいだ教祖はつもかたく唇を閉じたかと思うと、又元の瞑想に這入はいる様であった(※1)。教主はの時かすかに会心の笑みを漂えて、一大獲得かくとくする所あるかの如く、軽く額を下げて、元の遍路の旅にくべく立ち上がった。んと云う物足りない会見であったろう。

 この会見のあった翌年のこと、当時の役員であった四方しかた平蔵が、うかして教祖と会見した一修業者に面会して見たくなったので、教祖に大体だいたいの人とりを尋ねて見ると、見知らぬ青年で、こうどうかいの監督だと聞いたから帰って貰ったとのみ、全く要領を得ぬおぼろげな話であった。
 或る日またも四方がの修業者が何んとなく慕はれてならなかったので、うるさく教祖に再び尋ねると、教祖は不図ふと何かを思い出したかの様にして、近くにある小さい箱の中から一枚の紙切れを出して、何か文字の書いてある方を示して
『これじゃ、昨年の見知らぬ人と会った時に、帰り際に置いて行かれたのが、の書附けで』
 四方はんな事が書いてあるのかと、紙切れを受取って見れば、其人の現住所がしたためてあった。四方は飛び立つ様によろこんで、早速旅装をととの寓居ぐうきょである丹波園部そのべ町の教主の宅を訪ねて行った。丁度ちょうど、その時は折り悪しく教主は不在であった。季節は夏の盛りで、炎熱焼くがごとく、家の模様を外からのぞいて見ると、明け放して戸締りもないようであるから、おそらく遠方へ出掛けたものとも思われないので、二三度大きな聲で呼んで見たが、なしつぶてで音沙汰がない。家の外側からまわって其処そこにある小川の流れに沿うて暫時散歩していると、ふと向うの所に橋がある。其の橋の下で一人の男が水浴びをしている様子であった。の人にでも聞いてみたら、様子も判る事だろうと、近くまで行って言葉をかけた。
一寸ちょっと物をお尋ねいたしますが、あの家に上田さんと云う人が居られませうか』
 今まで水浴をして居た人は、この見知らぬ男に聲をかけられて
『私が上田ですが』
 と川辺りからんな返事が浮いて来た。四方は急にいさみ立って
じつは去年貴方が綾部にんでいる神懸りのお婆さんに御面会なさった事にいて、一寸とおうかがいしたい事がありまして』
 と訪ねて来た理由を述べたので、其人は初めて合点した。
『ああ、そうであったか、それでは、まづまづ家へ帰ってから色々お話もうけたまはることにしよう』
 と教主は其処そこから出て来て、四方を座敷へ案内した。せみがヂイヂイ鳴いて居る。裏山から送る谷風はなり涼しかった。話はそれからそれへと進んで、両人の間には色々な奇蹟的な物語りもあった。


(※1)
○「初対面」 玉鏡(昭8/9)
 王仁と開祖様と初対面の有様を問ふのか。歌集に出て居るであろう。何、神秘方面の事を聞かせと云ふのか。別に変った事はないが開祖様は初対面の時、王仁をじっと御覧なされて「わかって居るでせう」と申された。王仁は「わかって居ます」と答へた。ただそれだけである。其後の事は歌集に出て居るとほりだ。


テーマ : 心に響く言葉・メッセージ
ジャンル : 心と身体

プロフィール

真善美愛

Author:真善美愛
真善美愛まことと申します。東日本大震災の後、上野公園さんの『神言会-大本教神諭解説』に出会い、ぐちなお開祖・さぶろう聖師を通じてうしとら〔 艮 〕こんじんくにとこたちのみこと様に導かれます。それ以降、天の御先祖様(万軍の主、創造神)のお役に立ちたいと、良心神(個々の魂に宿る天帝の分魂、天照皇大御神)を奉じて活動しています。

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