大本教開祖御傳記(5)

○開祖途中神人に逢ふ

 明治二十一年春は弥生やよいの中旬頃、開祖は所用のため八木やぎの親族福島家に出で行かれしに、船井郡鳥羽とばの村外れ八木島の手前にて、一人の偉丈夫いじょうぶふ。かれは開祖の容姿風采ふうさいを熟視して、「御身は実に偉人なり。肉体こそ婦人に坐せど其霊性みたまは全く男子なり。世に所謂いわゆる変性男子へんじょうなんしとは御身の事なり。御身はこれ七人の女なり、ああ珍しき婦人なるかな。数年の後不思議の神縁にて、必ず天下に大名をぐる事あるべし。また御身には八人の児女あるべし。しかして長男は云々しかじか、長女は云々、次男・次女は云々」と八人の児の身の上まで途々みちみち語り玉いしに、一々適中してごうあやまたず。
 開祖は其神異しんいに感じて、「貴下は人間にては有らざるべし、如何いかなる神にまししますや」と問い玉えば、「我が名は後に判明すべし。神命をこうむりて丹波の元伊勢に参詣さんけいし、かつまた比沼真奈井ひぬのまなゐ神社に神跡しんせき調査の為出張したりし者なり。随分自重自愛せられよ。しかし十年の後に御身を助くる異人いじん尋ね行く事あらむ」と言葉も早々に、其の姿は何時が見えずになりにけり。
 さて偉丈夫は開祖の住所姓名を記して別れたりしが、これぞ王仁三郎が王子わうじ梨木坂なしのきざかにて出會しゅっかいしたる霊学の研究者本田ほんだ九郎親徳ちかあつ先生なりしなり。本田氏の慧眼けいがんなる、途上一見して開祖の偉大なる人格を看取かんしゅせしなり。英雄を知る者はまた英雄ならざるからず。本田先生の此行、鳥羽にて開祖を知り、梨木坂にて王仁の性格を看取されたるなり。

○出口家の祖先
 出口でぐち家の遠祖えんそ丹波たんば道主命みちぬしのみことず。みこと開化かいか天皇の妃 田庭たはね竹野姫たかのひめの子 彦由ひこゆ牟須美命ひこゆむすみのみことえいなり。道主みちぬしのみことは、崇神すじん天皇の十年癸巳きし、教化の将軍を四道に派遣して四民を教化せしめんと、すなわみことが祖先の出産地たる縁故を以て、天皇の特旨とくし丹波たにわに派遣されたるが、みことの教化の力く功を奏し、ついに丹波の何鹿いかるがの里に居を構え威望いぼう四隣しりんを圧したりしが、命の後裔なる綾津彦あやつひこのみことは綾部のさと 神戸かんべの地をぼくして永住し豊受とようけ大神おほかみ奉祀ほうしし居たりしに、のち神勅に依りて丹波郡たにはごほり丹波村比沼真奈井ひぬまのまないたけふもとなる現今げんこん 中郡なかぐん五箇村あざ久次ひさつぎの神境に移し祭り子孫相継ぎ奉仕せしが、雄略ゆうりゃく天皇の二十二年戌午ぼうご 天照あまてらす大神おほみかみ、天皇の御夢に現われ給いて、豊受大神をかみの伊勢の国山田やまだが原に遷し祀るべくらせ給いしより、天皇は神勅しんちょくを奉じ直ちに豊受大神を山田ヶ原に迎え玉いしが、其時そのとき神霊に奉侍ほうじして移り住みしは出口家の分家なり。今に山田に出口家の子孫現存す。
 また本家たりし出口氏は現今綾部あやべの地に子孫繁栄して、同姓を名告る者ことに多し。かる深き神縁によりて、神道界の英傑えいけつ開祖直霊ちょくれい女史の現出せしもまた不思議と謂うべし。只しむらくは、中世祝融子しゅくゆうしの見舞うところとなり、詳細なる記録・系図等の煙滅いんめつせし事なり。

< 参照 >
○大本神諭「明治33年閏8月2日」
 出口の因縁いんねんは中々六ヶ敷むつかしきなれど、元からの因縁は昔からなり、斯現世このよの因縁も、元は八人の血筋で手分け致して間配りて、仕組がして有るぞよ。明治23年の7月の19日に、八木やぎの福島のひさが大病で、晩立あけだちで直(なお)が参りて、八木の島の手前に出口に追付いて、「御前は珍しき婦人おんなじゃ」と申したのは、人民では無かりたぞよ。「お前は夫人にうまれて来ては居れども、婦人では無い男子おのこじや」と申して有らうがな。「七人の女じゃ」と申して有らうがな。其因縁も判りて来るぞよ。
 明治24年の極月から大槻おおつきよねの総領が狂乱きちがひ、八木の久も狂気きちがひ、又た25年正月から、出口なおも人から見ればこれ狂人きちがひ、この三人の狂乱の本は、皆神からてある狂乱であるから、世話して居るものが改心をして、聞分けてれたら、すぐ鎮静しずまるなれど、誰にも解らん事で有るから、よね全狂乱まるきちがひにしてしまうて、大槻鹿造しかぞうよねの改心が出来んゆえ、八年間懲戒いましめを致されて、因縁もののあひで、珍しき事が綾部に出来るのじやぞよ。世の立替には変な人が現はれて、変な事が出来るぞよ。

○出口すみ『おさながたり』「不思議な道づれ」


テーマ : 心に響く言葉・メッセージ
ジャンル : 心と身体

プロフィール

真善美愛

Author:真善美愛
真善美愛まことと申します。東日本大震災の後、上野公園さんの『神言会-大本教神諭解説』に出会い、ぐちなお開祖・さぶろう聖師を通じてうしとら〔 艮 〕こんじんくにとこたちのみこと様に導かれます。それ以降、天の御先祖様(万軍の主、創造神)のお役に立ちたいと、良心神(個々の魂に宿る天帝の分魂、天照皇大御神)を奉じて活動しています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる