出口澄「花明山夜話 (五)」

○出口すみ子「花明山夜話 (五)」(教示集 「木の花」昭和25年9月号)

[前略]

日向「聖師さまは、三年前の直日さまのことで、学校の先生をしかりつけられたことがありましたそうですね。」
直日「校長先生を叱りつけに行ったのです。校長先生は長岡という方でしたが、菅原道真とアダ名のついた温厚な人柄で、ちょうど法勝寺の中曽さんを思わせる方でした。」
乕雄「お父さんはなんでどなり込まれたのですか。」
直日「それが、ある日担任の先生から『ちょっと来い』といわれて行ってみると、『お前はうそつきやのう、お前のおかげでわしは校長先生にしかられたぞ』と言われるのです。私は身に覚えがないので、いきなりうそつきと言われてその時は腹が立ったのですが、後になってわかってみると、私の三年前の担任の先生が意地悪く私をしかったり、授業中白ボク(チョーク)を投げつけたりしていじめられたので、そのことをフッと思い出して話したのを、子煩悩な父がカーッとのぼせてしまい、いきなり学校へ飛んでいって、なんにも知らない校長先生をつかまえてどなりたおしたんです。
 校長先生は面くらって担任の先生を呼びつけしかられたのですが、担任の先生は覚えがないので、私がいいかげんなことを言ったのだろうと思って、『お前はうそつきやのう』と私をしかられたわけです。」
乕雄「お姉さん(義姉:出口直日)にすれば、お父さんの子煩悩がありがた迷惑だったんですね。」
澄子「先生はエライ子煩悩やったでな、子供のことというとじきカーッとなってしもうて。」
直日「向こうもこっちも三人ともエライ迷惑でした。」
澄子「先生はよくこの子(直日)の小さい時は背におんぶしていつも手に本をひろげて、読みながら歩いておられた。人が何と言おうと頓着せず、ぶらぶらと本を読みなが街へ使いにもいってくれる方でした。」
日向「聖師さまは『神霊界』(大正6年1月刊行の大本機関誌)をお出しになるころは大変だったらしいですね。」
澄子「夜中に私が目を覚ますと、夜さり寝るともなしに半紙に原稿を書いておられることや、一人で活字をコツコツとひろってゆかれるのを見ました。小竹さんが手伝いに来るまでは何もかも一人でみんなやって『神霊界』を出されていました。二百七十円の金を借りて、手刷りの機械を買われて、それで町の役場の仕事なども受けてきて刷ってられました。そのころ幸徳秋水の事件[注:大逆事件/幸徳事件]があって、大本にも警察の人が調べにきました。」
直日「あの時にもそんなことがあったのですか。」
澄子「なんで来たのか私は聞いてないが、世の中を改めるということを言っていたので、何か関係があると思うたのですやろ。」
乕雄「幸徳秋水のパトロンになる人が丹波の出で、岩○○民とかいった地方の銀行家のように聞いています。」
日向「昔の『神霊界』を読むと、聖師さまはあのころから、信者に歌を作られて御自分の和歌といっしょに毎日載せておられますが、あれを拝見しますと神様のお道と和歌はいかに御因縁の深いものかが分かります。」

(速記の高橋君が疲れているようなので、ちょっと休憩を取る。高橋君煙草に火をつける)

澄子「乕雄さん、ちょっと硯箱と紙をおくれ。こんど綾部が市になってな、そのお祝いの歌を出すことになっていたのを、いま思いついたので、

 綾の里 すえで都になるという 母の言葉をまのあたり見る

 和知川の清き流れは本宮山に上がり 生命の清水と世に下りゆく

 これでどうやろう。金龍海ができた時に、三角や四角や棒の形の餅を供えたことがあります。
 直日さん、あんたはおぼえているやろう。」
直日「美しい月夜の晩でしたね。」
澄子「あれは大きな謎でありましたのや、『大本にあることは箸のこけたことでも、よく見ておれよ。世界に出てくることがすべて映るところである。』と、神様がおっしゃってやでな。」
日向「この世を丸にしようと四角にしようと、この方のするようになるのである、ということがありますが。」

[後略]


テーマ : 心に響く言葉・メッセージ
ジャンル : 心と身体

プロフィール

真善美愛

Author:真善美愛
真善美愛まことと申します。東日本大震災の後、上野公園さんの『神言会-大本教神諭解説』に出会い、ぐちなお開祖・さぶろう聖師を通じてうしとら〔 艮 〕こんじんくにとこたちのみこと様に導かれます。それ以降、天の御先祖様(万軍の主、創造神)のお役に立ちたいと、良心神(個々の魂に宿る天帝の分魂、天照皇大御神)を奉じて活動しています。

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