大地の母 メモ13

△『直から澄へ』

 1918年(大正7年)10月31日、王仁三郎の七十五日床しばり神業(同年新暦8月18日=旧暦7月12日)が終わり、床上がりの日を迎える。この日、出口なお開祖は末娘で王仁三郎の妻・出口澄子を教祖室に呼ぶ。
「お澄や、ここへ坐りなされ。お前に言いおきたいことがあるのや。わたしは明治25年から大神さまの言われることを一遍もそむかず、お筆先を書かしてもろうた。お筆先には、この世の一切のことが書いてある。これからは、女子様(王仁三郎)が人民に分るように説いて下さるお役じゃ。なかなかご苦労なお役じゃから、お前は先生(王仁三郎)に腹立てさせぬようにしておくれなされよ」
「そんなこと言うちゃっても、あんなやんちゃ者、ヘイヘイハイハイ言うとうたら、何しでかすやら……」
 ナオの顔が、厳しく改まった。
「お前は私を肉体の親じゃと思うて口ごたえしなさるが、私が言うのではない、神様が言わせなさるのじゃで。神様の言われることは、我を出さず素直に聞きなされ。神様のお経綸はなあ、この世の始まりから後にも先にもないどえらいことができるのじゃげな。『神界の一厘の仕組は人に言うことはできぬ。ナオにも言えぬ。この経綸を言うてやりたら、ナオでも気違いになるぞ』と神様はおっしゃる。『大本のことは、世界から分けに来る。何事も時節じゃ。時節には神もかなわぬ。経綸が成就してから、ああ、このことでありたか、と分るのじゃ』と言いなさる。お前は我を折って、先生に従えばよいのじゃ」
 その夜、澄が教祖室へ行くと、ナオが息をはずませていた。
「今なあ、廊下の方からきれいな娘が参りて、障子の隙からポイと入って『おばあさま』と言うてお辞儀したのじゃ。『はい……』と返事してよく見ると、それはどいらい狐でなあ……。『おのれ、ド狐が……』と怒鳴ってやったら、びっくりして宙を立ちて逃げて行ったわいな。あの狐が世界中わるさをしてかき回しとるのやが、あの霊を退治てやらぬとどうにもならぬ」
(どえらい奴を腹にいれとると先生が言うちゃったが、それやろか。行上がりで今夜は出てきたのかも知れん)と澄が思っていると、ナオが続けた。
「天地のご先祖様が何もかも万劫末代のことを天地の規則として書き残してあるから、もうどのような悪さをしてきても水も洩らさぬようにしてある。けれど九分九厘まで大本と同じようなことを言うて血統(ちすじ)を抱きこみにくるから、おまえは迷うでないぞ。お澄はよっぽどしっかりしてもらわねばなりませんで」



テーマ : スピリチュアル
ジャンル : 心と身体

プロフィール

真善美愛

Author:真善美愛
真善美愛まことと申します。東日本大震災の後、上野公園さんの『神言会-大本教神諭解説』に出会い、ぐちなお開祖・さぶろう聖師を通じてうしとら〔 艮 〕こんじんくにとこたちのみこと様に導かれます。それ以降、天の御先祖様(万軍の主、創造神)のお役に立ちたいと、良心神(個々の魂に宿る天帝の分魂、天照皇大御神)を奉じて活動しています。

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