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大地の母 メモ3

大本教祖『出口直子傳』の第九章「内部の暗闘」、第十章「教祖の鞍馬詣で」、瑞能神歌/いろは歌(1)下の「鞍馬山」もあわせて御覧ください。


△『鞍馬山出修』
 1899年(明治32年)9月下旬、出口ナオ開祖の筆先に「出口ナオ・上田鬼三郎(王仁三郎)・四方春蔵を連れて行く先のない旅に出よ」という神示が出る。四方春蔵は19歳ながら霊力知識に優れ、王仁三郎の排除を何度も計画していた。堪忍袋の尾が切れた王仁三郎は春蔵を可愛がっている風に見えるナオに喰ってかかる。
「筆先は私の自由になりまへんのやで。神様のご命令ですさかい…」
「そやさけ合点がいきまへん。三千世界の善悪正邪を一目にお見すかしの艮の金神さんが、よりもよってなんで春蔵ばらをお供に加えはるのや。春蔵なんかと道連れになるのは、送り狼と同行するようなもんや。いつ寝首をかかれるか知れたもんやない。それを知って春蔵をと言わはるのは、表面だけつくろうて、要するにワシに行くなと言うことでっしゃろ。ワシは気をきかせて止めときますわ」
 ナオは王仁三郎の眼をじっと見た。その眼から金色の霊光が迸り出て王仁三郎を射すくめた。ナオの表情も声音も少しも変わらぬのに。
「先生、あなたは広い心で春蔵さんの罪を何度も許してくれなさったなあ。それでも『許す』ということは、どういうことですやろ。朝夕の神言で唱えるように、神様は人々の罪を聞き入れなさって、祓い清め、ついには持ちさすらい失いて忘れてくださる。無学でよう分りまへんが、神直日大直日に見直し聞き直すというのは、相手の罪をさらりと忘れてあげる心ではござりまへんか。それとも、先生は口先だけで許されて、春蔵さんの罪を数え立てていなさったんですかい」


△『鞍馬山出修』
 1900年(明治33年)10月1日(閏8月8日)―10月2日(閏8月9日)、出口ナオ・出口王仁三郎・出口澄子・四方春蔵・福林安之助は北野天満宮および鞍馬山を参拝する。北野天満宮で王仁三郎が菅原道真公と天神様の由来を説明していると、突然出口ナオが泣き出し、澄子(ナオの五女、王仁三郎の妻)は慌てて「あれ、母さん、なんで泣いてんですいな。道真という人は、こんなに立派に祀られとってやござへんかいな」と慰める。
「道真公でさえ、無実の罪を晴らされて、これだけ後の世までもお国から手厚く祀られておいでや。たかが人間が、じゃで。わたしは艮の金神様を思うて…くらげなす漂える国土を長い長い年月をかけて固められ、大地の世界をひらかれた国祖の大神さまが、八百万の神々の罪を一身に千座の置戸におうて、艮(ウシトラ)に押し込めなされた。それからの今まで、誰一人としてお供え一つする者がなく、そればかりか、悪鬼邪神とののしられ、祟り神やの、鬼門やのとただ恐れられるばかり。炒り豆にも花が咲く時節が参って、ようやくこの身におかかりなされても、もったいない・・・わたしに力と誠が足らぬばかりに。道真公の立派なおやしろを見ていると、艮の金神さまがおいたわしい・・・」
 王仁三郎は得意になって妻に道具の講釈などしていた自分の軽薄さが恥じられた。
「一日も早く、わしらの手で金神さまの立派なお宮を・・・」
「なんの、お宮など!」
 はじき返して、直はキッとなった。
「わたしは、立派なお宮が羨ましゅうて泣き言を言うとたのではありません。(国常立尊さまは)『どんな豪華な普請や宮を建ててもらおうとも、教会などに祀られるちっぽけな神とはちがう。教会は建ててくれるな。建てれば、何遍でも叩きこわして潰すぞよ』と云われます。世の中の立替え立直しが済みてから、世界中の者が寄って建てるまでは、お宮は一人一人の心の中に清らかに建ててくだされ」

 鞍馬山魔王殿で野宿した五人。夜半、福林は四方春蔵の体から火の玉が抜け出るのを見た。やつれて死期を悟った春蔵にナオは「春蔵さん。何があったかは知らんが、今があんたの命の瀬戸際です。こういう時こそ何もかも捨てて、神様に縋りなされ。あんたの生きる道は、何もかも捨てる。ただそれだけしかないのやで」と叱る。だが春蔵は死の床についてしまう。王仁三郎の命で見舞う福林に、春蔵は全てを告白する。

「神様は、わしの心の恨みを…その心につけ入ってかかった邪霊を知っとっちゃったんや」
「お前はわしらと違うて霊眼がきく。霊学の力は大したもんや。若うて頭がようて、人に羨まれる環境に育った男や。それだけ悟る力も、省みる心もあるくせに、何で素直になれんのじゃろ。あんなにも先生(王仁三郎)に逆らう気持ちが、わしには分らん」
 春蔵は、自分が澄子を愛していること、かつて春蔵と澄子の結婚話も出たが、王仁三郎の出現で全てが崩れ去ったことを告白する。
「何をやっても、あいつはできる。歯が立たん…それが口惜してなあ…。わしは知恵をしぼって邪魔した。憎い。呪い殺したいほど憎い。実際に何遍か呪い釘も打った。殺そうと計画をたて実行にもうつしたが、そのたびあいつには守護がつく。盤古大神(ばんこだいじん)の霊がわしにかかってきた時は嬉しかったでよ。『邪神でも何でもよい、わしに力を貸してくれい』と祈ったや」
「お前は、アホな奴や、春蔵!」 福林は病床の春蔵を揺さぶった。
「後悔なんかせんわいな。お澄さんを奪ったのはアイツや。アイツさえいなんだら…」
「止めてくれ春蔵。お前はいったい、何を信じとったんや。先生とお澄さんが結婚したのは、艮の金神さまの御命令じゃさかいや。御筆先にある通り、まちごうてへん。お前は艮の金神様を信じていたんやないのか、え!?」
「さあ、今となっては、わしにも分らん。大本の世継ぎになりたい、お澄さんの婿になりたい、なれさえすれば、どんな神さんでもよかった…力が欲しい、あいつを殺す力を…魔王はんにそう祈った…」
「春蔵、今からでも改心してくれ。お詫びはわしがしてやる」
「先生に許して欲しい。詫びられたら、どんなに楽やろ…。けど、わしの心に食いついとるもんが、今はもうわしを放さんのや」
「お前はまだ若いのやさかい、神様は必ず許してくださるわな」
「もうおそいでよ。鞍馬の魔王さんが、わしの魂を引き抜いて連れて去んでしもたのや…」
「しっかりしてくれ、春蔵! わしが抱いて連れ戻したのを忘れたのか。お前は生きとる…ここにほれ、ちゃんと生きとるんや」
 春蔵はかすかに首を振った。死人のように冷たい顔になった。


テーマ : スピリチュアル
ジャンル : 心と身体

プロフィール

真善美愛

Author:真善美愛
真善美愛まことと申します。東日本大震災の後、上野公園さんの『神言会-大本教神諭解説』に出会い、ぐちなお開祖・さぶろう聖師を通じてうしとら〔 艮 〕こんじんくにとこたちのみこと様に導かれます。それ以降、天の御先祖様(万軍の主、創造神)のお役に立ちたいと、良心神(個々の魂に宿る天帝の分魂、天照皇大御神)を奉じて活動しています。

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